大殿筋と中殿筋の指圧法の違いについて、お伝えしていきます。

この2つの筋肉は重なる部分があり、
また、筋肉の働きの違いから、術者の手指(肘)の当て方や垂直圧のベクトルにはそれぞれポイントがあります。



大殿筋は、腸骨や仙骨、尾骨、胸腰筋膜、仙結節靭帯から起始して、
浅部の筋肉は大腿外側の腸脛靭帯に、深部の筋肉は大腿骨の殿筋粗面に停止している筋肉です。


中殿筋は、腸骨から起始して、大腿骨の大転子に停止している筋肉です。


2つの筋肉ともに、付着部位から考えられることは、この筋肉の緊張やトリガーポイントの形成によって、
骨盤の歪み(仙腸関節の機能異常)と股関節の症状に大きく関与してきます。


※大殿筋の起始部にある仙結節靭帯は、仙腸関節障害の診断・評価として、この靭帯の圧痛を調べる検査法があります。


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また、胸腰筋膜とのつながりもあることから、腰痛の原因ともなり、
実際、大殿筋の緊張をよく緩めることによって、腰痛が軽減することは多くあると思います。


中殿筋の緊張やトリガーポイントの形成によっても、腸骨と大腿骨に影響を与えますから、
大殿筋と同様に、仙腸関節と股関節の問題に絡んできます。


大殿筋の指圧法のポイント

大殿筋は、筋肉の走行と付着部位を見ると、
筋肉は殿部の後面に付着しており、筋繊維は「の字型」に走行して、股関節を伸展させる働きがあります。


そのため、大殿筋の指圧では、伏臥位の方が大殿筋に圧が働きかけやすくなります。



大殿筋の下層には、中殿筋や小殿筋、梨状筋などの筋肉がありますので、殿部の深部まで圧が浸透するように(途中で圧が流されないように)深層部の筋群もまとめて垂直に圧を入れていくことが大切です。

その時に“股関節を伸展させる”という筋繊維の走行をしっかりイメージして、手指(肘)を当て、殿部の中心に向かって圧を入れていくと、大殿筋にアプローチがかかります。

中殿筋の指圧法のポイント

中殿筋の筋繊維は、
殿部の側面に付着しており、股関節を外転させる働きがあります。





そのために、中殿筋の指圧では、側臥位での施術の方が、この筋肉に圧が働きかけやすくなります。


中殿筋の筋繊維は、殿部を「の字型」に走行していますが、
股関節の外転筋のため、“殿部の側面”という要素が強いので、


圧を外側面から殿部に向かってかけた方が、中殿筋に垂直に圧が入ります。


大殿筋と重なる部分では、
中殿筋の股関節外転という働きや筋繊維の走行を、しっかりイメージして手指(肘)を当て、

表層の大殿筋の筋束に流されないように、垂直圧を入れていくと中殿筋にアプローチがかかります。

まとめ

2つの筋肉は、
・股関節に対する働きが違うので、筋肉の走行が違う。
・身体の後面と側面という付着部に違いがある。

経絡的に見れば、
大殿筋は膀胱経、中殿筋は胆経の指圧法に通じてきます。
※必ずでもないですが。


このことを意識して指圧療法を行うと、それぞれの筋肉に的確にアプローチすることが出来ます。


患者さんの状態によっては、無理な体位とならないように、
大殿筋も中殿筋も、伏臥位と側臥位の両方で施術が出来るようにしておくことが大切です。
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小殿筋は、中殿筋の下層にあり、働きもほぼ同じですので、
指圧法は中殿筋とほぼ同様となり、
圧が流されずに深部まで浸透するかが効かすポイントとなります。


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