後頚部の経絡に対して指圧療法を行うときに、
古典経絡と経絡指圧診断治療要図(増永経絡)の走行を診ていくと、
施術ラインがわかってきます。
古典経絡では、
後頚部に膀胱経と胆経が走行しています。
膀胱経は、天柱のライン。
胆経は、風池のラインとなります。
2本の経絡ともに陽経となりますが、
症状が慢性化していれば、「陽にあらわれる症状は、陰の弱りから起こる」と考えますので、
天柱のラインは、腎の弱り、
風池のラインは、肝の弱りが根本原因となります。
治療効果は、
それぞれの臓腑や、目・鼻・耳の症状などにもよく効きます。
増永経絡では、
膀胱経と三焦経、胆経の3つの経絡が走行しています。
胆経は治療上、その外側を走行する肝経とセットで診るのがコツですので、
ここでは「肝胆経」と表記します。
後頚部を切経していくと、基本施術ラインは3本取れますので、(経絡は変動するので、施術ラインは無数にあるが)
後頚部の指圧療法では、
増永経絡をベースに施術を行うと、治療の幅が広がると思います。
膀胱経
最も正中寄りの膀胱経は、
パニック発作やウツ症状、季節や気圧の変化で不調になるなどの、自律神経系の症状をお持ちの方は、硬くなっていることが多いです。
反対に、
不良姿勢や筋力低下、前頚部(胸鎖乳突筋、斜角筋)の筋緊張によって、
膀胱経ラインが、力がなく筋の張りが弱っていることもあります。
このケースでは、
根本原因の腎の弱りへのアプローチが大切となります。
三焦経
膀胱経の外側には、三焦経が走行しています。
このラインは後頚部の中でも、手指を当てやすく、最も施術が行いやすい部位となります。
慢性的な首肩コリをお持ちの方は、
頚部の三焦経への指圧療法は、とても気持ちがよく感じられます。
三焦経は、
筋膜や粘膜などの「膜系」の症状や、津液の循環などと関係が深いと考えます。
脳のご病気などで、開頭手術を経験された方などでは、この三焦経が重要な治療経絡となります。
後頚部の経絡は、どの経絡も目の症状には有効ですが、
三焦経は、網膜や角膜などの症状との関連が深いと考えます。
肝胆経
三焦経の外側には、
胆経と肝経が並んで走行しています。
この2つの経絡は、表裏経でもあるので、
治療上(施術上)セットで診ていきます。
このラインの施術(切経)が最も難しいと思います。
筋肉の隆起があるわけではなく、「気の流れる溝」のようなラインを触察で感じとっていく必要があります。
この経絡上に隠れる硬結(ツボ)をとらえて、安定持続圧を行うと、
目や頭に良く響きます。
ひどい頭痛持ちの方や、目に持病がある方、一日中パソコン仕事をやる方など、
頭顔面部に慢性的な強い症状がある方には、
肝胆経の治療を重点的に行うことで、自然治癒力を高めることが期待出来ます!
後頚部の経穴といえば、後頭骨下縁に配置される、
天柱と風池、完骨、そしてこれら3つのツボの変動穴が要穴となり、
症状や病変経絡に対して有効なツボを選択して治療を行います。
それにプラスして、
後頚部を走行する3つの経絡ラインを切経して、
経絡の虚実や指圧による響きの反応を診て、
症状の原因となっている「虚のコリ」を見つけ出し、治療を行うことが大切です。
NEW!解剖学&生理学の動画配信スタート
医療系の専門学生向けに、YouTubeチャンネルで解剖学と生理学のお勉強動画の配信を行っています!楽しく学んでいきましょう!
チャンネルはこちら >>> 治療家・杉本憲一の指圧塾
講習会予定
定員4名の少人数制です。実技を徹底的に指導致します。
・指圧【基礎セミナー】 ※11月28日(木) ※このセミナーの定員は30名です
・指圧療法コース 12月8日(日)は残り1名
・指圧「上級セミナー」 各回残り3名 指圧療法コースを受講していなくても、どなたでもご参加いただけます。
・経絡&中医学治療コース※終了しました
・トリガーポイント療法コース ※終了しました
・骨盤療法コース ※終了しました
九星気学CLUB
DMMオンラインサロン 杉本憲一の『九星気学CLUB』
月額2,750円(税込)で、お好きな時間に全ての動画が視聴頂けます。
※カード決済の場合は、入会後30日間無料。
九星気学で、幸せに生きるコツを学びませんか!現在、第1回~第28回の動画がアップされています。
詳しくは以下のリンクから、DMMオンラインサロンのページをご覧ください。
こちらをクリックしてください >>> 『九星気学CLUB』
さらに指圧を学ぶなら
指圧塾は「治療効果を最大にするための指圧法」を実技中心に学べる講習会です。 指圧塾では、基礎コースをはじめとして、指圧療法、経絡治療、トリガーポイント療法、AKA療法を体系的に継続して学ぶ事が出来ます。