仙腸関節障害に対する、AKA療法での治療についてお伝えしていきます。
腰痛や股関節痛、坐骨神経痛などの症状があった場合、
仙腸関節の機能異常があると考えられますが、関節の異常ではなく、
脊柱起立筋(最長筋・腸肋筋)や大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋などのトリガーポイントの活性化による関連痛としての症状の可能性や、
経筋病として診ていくと、
足の太陽経筋病(膀胱経)や足の少陽経筋病(胆経)などが疑われます。
もちろん、トリガーポイントが形成、活性化している筋肉が付着している骨で構成される関節では、
可動域制限や拘束、機能異常が起こることも考えられるため、
関節へのAKA療法(関節包内調整)やモビライゼーション、アーティキュレーションという関節へのアプローチを行うことによって、
筋肉に形成されているトリガーポイントの沈静化や経絡反応(響き)が起こり、症状の緩解が期待出来ます。
しかし、
仙腸関節そのものに障害がある場合、
筋肉や経絡的なアプローチだけでは、症状が改善していかないタイプの人がいます。
そのような症状は、仙腸関節障害があると考えられ、
評価や検査として、
・ニュートンテスト
・上後腸骨棘の圧痛
・仙結節靭帯の圧痛
・長時間の立位や座位での疼痛増悪
など
これらの兆候を診て、仙腸関節の状態を把握します。
仙腸関節障害を認めるケースでは、
手技の刺激量や強さなどには、十分注意が必要ですが、
仙腸関節のAKA療法が良く効きます。
上部離開法、前屈上方滑り法、前屈下方滑り法、後屈上方滑り法、後屈下方滑り法、
このメインとなる5つの手技を、
刺激量に気をつけながら、根気よく少しずつ動かしていきます。
関節というのは、関節運動学に基づいた正しい動きを行っていくと、関節包内の潤滑が良くなり、
拘束が解放され、滑らかな動きを取り戻してきます。
すると、その関節を構成している骨に付着している筋群の過緊張が緩み、血流が促進され疼痛が緩和し、筋肉も正常のパフォーマンスを取り戻し、仙腸関節の安定性が良くなっていきます。
仙腸関節障害のケースでは、
「骨盤を調整する」、「骨格を矯正する」という意識よりも、
関節内の潤滑を良くし、正常な機能を取り戻すという意識で、
仙腸関節のAKA療法を行うと、自然治癒力によって、症状が緩解へと向かっていくと思います。
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