前脛骨筋のトリガーポイントは、筋肉の上部に形成されやすく、足関節前面や拇趾の背面と内側に関連痛を送ります。
この部位は、痛風や外反母趾の症状としての痛みが現れますが、トリガーポイントの活性化も考慮して診ることが大切です。
実際、痛風発作による拇趾の痛みが、この部位に痛みを送るトリガーポイントの沈静化によって軽減することもあります。
また、痛風発作の後遺症や外反母趾の症状のある方は、前脛骨筋にTPが形成され圧痛を認めるケースが多くあります。
この筋肉は、足関節の背屈と内反の働きがあるため、歩行時につま先を上げたりバランスを維持するのに重要な筋肉となります。
TPの形成によって、筋力が弱まるとつまずきやすくなり転倒のリスクが高まりますので、特に高齢者の治療では前脛骨筋の潜在性TPを処置することは大切です。
腓腹筋やヒラメ筋などの下腿後面の筋肉にトリガーポイントが形成されると、必要以上に下腿前面の筋肉に負荷をかけることになります。
前脛骨筋は、筋肉自体にコリ感や痛みなどの自覚症状が現れにくい部位で、潜在性TPの存在に気が付かないことが多いと思いますので、
全身施術の際に、筋緊張や硬結の有無、状態の左右差などを確認することが大切です。
この筋肉は厚みがあり、深い位置にトリガーポイントが形成されることもありますので、刺激には十分に浸透する圧が必要となります。
拇指圧の場合、拇指からの刺激が伝わりやすい部位で硬結を捉え、しっかりと拇趾に体重をかけていくことが圧を浸透させるコツになります。
講習会では、施術時の立ち位置や手指の当て方、体重をかける時の注意点なども学んでいきます。
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