急性腰痛で来院された40代女性の症例です。
ギクっとやってしまったわけではないのに、
朝起床後からなんとなく左腰部に痛みがあり、
お昼頃には、動けなくなってしまったとのことです。
発症から3日目に、
車で送られてなんとか来院されましたが、
初日の痛みの軽減は感じられていないようです。
前屈やしゃがむ動作が一番辛く、
座った姿勢からの立ち上がりも大変のようです。
疼痛部位である腰部起立筋に圧痛はなく、
椎間関節に向けての押圧でも、著名な圧痛は認められませんでした。
このことから(完全ではありませんが)、
筋筋膜や椎間関節部の炎症は無いと思われます。
側臥位で、
左殿筋を触察すると、大殿筋第1トリガーポイントにジャンプサインを認めたため、治療ポイントとしました。
また、下腿のツボでは、
左崑崙と飛陽に硬結圧痛反応がありましたので、治療穴としました。
これらの治療穴(トリガーポイント)を、
筋緊張を強く起こさない程度の圧で、安定持続圧を行いました。
続いて、
仙腸関節の機能異常を疑い、
関節運動学的アプローチを行いました。
特に、
関節包内における仙骨の前屈動作を改善する手技で、良い治療反応がありましたので、
この手技を入念に行いました。
治療後、
ベッドからの起き上がりや歩行の感じ、靴を履く動作で、症状が半減していました。
考察としましては、
コロナ自粛での運動不足や座り過ぎによって大殿筋が硬くなり、第1トリガーポイントが活性化したのと、
同時に、仙腸関節の関節包内運動の可動域が許容範囲を超えたと思われます。
腰部の筋や関節部に圧痛が無かったため、
他の部位からの関連痛が考えられました。
今回の症例では、
大殿筋と仙腸関節からの関連痛だったのでしょう。
急性腰痛に効果を発揮する下腿のツボへの治療も行いましたので、
トリガーポイント療法と骨盤調整、経絡治療の相乗効果が現れたと思います。
出産経験のある方や、
長時間の座位や立位の体勢が続く方、
骨盤帯に付着する筋肉にトリガーポイントが形成されている方などでは、
仙腸関節に慢性的に機能異常を起こしていることが考えられますので、
骨盤調整のスキルを身につけておくと、
治療の守備範囲が広がります。
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