骨盤から胸郭内のリンパ流の促進「直腸呼吸反射を起こす指圧法/ 上級治療テクニック #17 / PRO上級コース

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直腸呼吸反射とは、フルフォードD.O.の著書で紹介されている治療理論です。
症例として、小児の中耳炎の治療では、尾骨に一撃を加えると説明されています。

これは、
尾骨の拘束によって、直腸呼吸反射が不全となると、骨盤から胸郭内のリンパ流が悪くなり、
その影響が内耳のリンパ流の停滞の原因と考えるためです。

治療の目的は、
尾骨や仙尾関節の拘束をリリースし、直腸の働きを改善することが狙いです。

この部位は、
長時間のデスクワークや車の運転、便秘や痔、婦人科系の症状などでも拘束を生じます。

尾骨矯正や仙尾関節の関節運動学的アプローチなどの整体療法や、
アクティベーターや高速振動治療器など、さまざまな治療法がありますが、

指圧療法でも、直腸呼吸反射を起こすことが出来ます。

尾骨や直腸にアプローチするには、
大殿筋第3トリガーポイントと大内転筋第1トリガーポイントに、
安定持続圧を行うことで響きを起こします。

両筋のトリガーポイントは、
尾骨周囲や直腸、肛門、骨盤内臓に関連痛を送りますので、
このトリガーポイントを沈静化させることで、直腸呼吸反射を起こす効果が期待できます。

個人差はありますが、
デスクワークなどで、殿部や尾骨がイスの座面に長時間圧迫を受けている方には、
大殿筋第3トリガーポイント。

婦人科系やメンタル面での不調がある方は、
大内転筋第1トリガーポイントが、
責任トリガーポイントになることが多いように感じます。

尾骨周囲の症状だけでなく、
めまいや耳鳴りなどの症状をお持ちの方は、
トリガーポイントへの安定持続圧によって、圧痛反応と響き的感覚が起こります。

また、
腹鳴や呼吸が深くなるなどの反応が起こることもあります。

指圧法のポイントとしては、
尾骨や坐骨に、ダイレクトに強い圧が向かわないように気をつけて垂直圧を入れていきます。

皮下脂肪や浮腫みなどで、筋硬結を触知しにくい部位ですが、
骨盤の形状をしっかりとイメージして、ベクトルを定めていきます。

防御性筋収縮を起こさずに、圧痛反応が得られれば心地よい響きとなり、
骨盤内から胸郭にかけて、さらには内耳の中までのリンパ流の促進効果が期待出来ます。

めまいや耳鳴り、内臓の不調などの根本治療となりますので、
ぜひとも習得したい指圧スキルですね。



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