「天髎穴」は、手の少陽三焦経に属す経穴で、
取穴法では、
「肩甲骨上角の外上方で、曲垣穴(小腸経)と肩井(胆経)の間に取る」
となっています。
経穴学
このツボへの治療は、首の痛みに治療効果を発揮します。
慢性的な首の痛みや、寝違えのような急性症状、頚部の可動域が強いコリのため減少してる方などでは、
必ずと言ってよいほど、
天髎に硬結圧痛反応があらわれます。
ツボの位置や三焦経の経絡が、肩甲挙筋の筋束と重なるように走行してるからとも言えると思いますが、
経絡が走行している側頚部だけでなく、後頚部の痛みにも著効を現すこともよくあります。
頚部の経絡テストでは、三焦経の動きというのは、側屈の伸展制限を診ていくテストですが、
天髎への指圧治療によって、
首の前屈や後屈、側屈、回旋など、全ての動きでの痛みの軽減や可動域の拡大効果が得られることがありますので、
経絡走行というよりは、ツボの特性と考えられます。
このツボは、
圧痛反応が強いので、オーバードーゼとなってしまうと、
愁訴を増悪させてしまったり、翌日のリバウンドが強くあらわれてしまうため、注意が必要です。
指圧法
天髎の正確な取穴法はありますが、
ツボというのは、患者さんの体質や症状によって変動しますので、
治療では、診断按摩を行いツボを触察します。
おおまかに、肩井穴の後方1寸あたりに軽い拇指揉捏を行って、天髎穴の硬結を見つけます。
この部位は、肩上部のやや後側となりますが、
僧帽筋特有の弾力性はなく、少し硬さのある部位に、天髎穴はあります。
※肩井穴は、肩上部の筋が盛り上がっていて、僧帽筋の弾力性がある部位に位置しています。
天髎穴の筋硬結と間違えやすいのは、肩甲骨上角の骨です。
肩甲骨上角は、解剖書などで見ると、実物よりもやや内側に描かれています。
これは、平面的に書かれているためであり、
実際の身体では、
肩甲骨は緊張の強い筋肉に引っ張られていたり、猫背により前傾したりしているため、
上角は、肩上部のほぼ中央で、肩井穴のすぐ後方に位置していることが多く見られます。
僧帽筋の厚みのあるタイプの方では、
上角が触察しにくく、天髎穴と思われる硬結に拇指圧や拇指揉捏を行っても、
骨(上角)をグイグイと押してしまっていることがありますので、気をつけなければなりません。
施術時に、
胸当てマットの上に伏臥位となっている身体の肩甲骨は、
前傾、そして外転していることが多いということを考慮して、丁寧に触察して下さい。
肩井の後方で、僧帽筋の弾力性があまりない感触、
そして、肩甲骨上角(やや外上方)にへばりついている硬結が天髎穴となります。
※肩甲骨上角の内方は、肩外兪です。
軽めの拇指揉捏で天髎穴を捕えたら、
防御反応による筋緊張を起こさない程度の圧で、拇指頭で安定持続圧を行うと効果的です。
圧の持続時間は、2~3秒間位の短めがおススメです。
このツボは、軽めの圧でも強い圧痛があるため、
“効いてる感”があっても、長い持続圧は患者さんにとってストレスとなってしまうからです。
天髎 ➡ 肩上部 ➡ 天髎 ➡ 肩甲骨内縁 ➡ 頚部 ➡ 天髎
このように、
天髎1穴を集中的に狙わずに、刺激を分散しながらの指圧療法を行うと、
天髎の治療反応の変化も診やすいので、試してみてください!
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