
ヒラメ筋は下腿後面を広く覆う筋肉で、上半分は腓腹筋の下に隠れています。
トリガーポイントの関連痛は4パターンに分けられます。
第1トリガーポイントは、起始部である腓骨頭付近に形成され、ふくらはぎの痛みとして症状が現れます。
第1TPは、腓腹筋外側頭を正中の方に避けるようにして圧を入れていくと捉えることが出来ます。
ふくらはぎの痛みや重だるい感じ、筋痙攣のクセなどの症状がある方は、TPを指圧すると強い圧痛を訴えます。
第2トリガーポイントは、筋の中央部か、その高さのやや脛骨寄りに形成され、足関節の後面や踵に関連痛を送り、症状はアキレス腱の痛みとして感じることもあります。
踵の痛みは女性に多くみられ、朝起床した時や長時間の座位からの歩き始めなどの時に、強い痛みのために踵が床に着けないという症状を起こします。
このような症状は、ヒラメ筋第2TPや足底方形筋TPの活性化が考えられます。
第3トリガーポイントは、筋の中央部のやや外側寄りに形成され、仙腸関節付近や腰殿部に関連痛を送り、腰痛や坐骨神経痛のような症状の原因となります。
また、時として顎関節にも痛みを送ります。
顎関節に痛みや違和感のある側と同側のヒラメ筋第3TPは圧痛を認めることが多く、治療反応に敏感の方は顎周囲に響きを感じます。
第4トリガーポイントは、筋肉上部の脛骨の後縁に形成され、足首の内側に痛みを送ります。
足関節捻挫でもTPが形成されますが、捻った覚えも無いのにこの部位に痛みがあるケースなどでは、第4TPの活性化と考えます。
ヒラメ筋は、ミルキングアクションといって、脚から血液を心臓へ戻す筋ポンプの働きがあり、第2の心臓と呼ばれています。
この筋肉にトリガーポイントが形成されると、その働きは弱まりますので、ふらつきや失神などの原因となることも考えられます。
過剰な運動やデスクワークなどによる血行不良により、ヒラメ筋にTPが形成されると、身体全体の血液循環が悪くなるため、様々な慢性疾患の治癒を妨げる原因となりますので、この筋肉へのトリガーポイント療法はとても大切です。