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カゼ症状に対する指圧療法として、中医学の理論を用いて治療を行うと効果的です。

当院へは、カゼ症状を主訴として来院される患者さんは、ほとんどいませんが、
主訴とは別に、「カゼをひいてる」、「カゼっぽい」、「ノドが痛む」、「咳、鼻水が出る」、
「熱っぽい」などと、カゼ症状を訴えられるケースがあります。


指圧療法によって血行が良くなり、好転反応として熱が上がる可能性もありますが、
自然治癒力が高まりますので、
患者さんの体力に合わせて、カゼ症状の治療を行います。

体力というのは、
カゼの原因となる邪気を、追い払う治療(去邪)として、
瀉法“を行いますので、治療を受ける患者さんもエネルギーを使います。

高齢者であったり、高熱でぐったりしている、
また、流行りの急性胃腸炎で食事が摂れてないなどのケースでは、

“瀉法”一辺倒の治療では、具合が悪いこともありますので、刺激量には気をつけて治療を行ってください。


高齢者では、
熱を下げる働きや(火に水をかける)、喉や気管、粘膜を潤す水分である、
腎陰“が不足しています(腎陰虚)。

先瀉後補という治療原則はありますが、ケースバイケースで、腎陰を補う(補法)治療を先に行った方が良い場合もありますので、体調や体力面をよく観察してください。

※先瀉後補とは、文字通り、先に瀉法を行い邪気を取り去り(去邪)、その後に補法を行い正気を補う(扶正)治療のこと。身体に邪気が停滞してるのに、先に気を補ってしまうと(補法)、どんどん気が詰まってしまうため、邪気を追い払うのが優先ということ。


また、
急性胃腸炎などで、満足に栄養が摂れていなければ、気が不足状態のため(エネルギー不足)、
瀉法によって邪気を追い払う力が無く、身体に負担をかけてしまいます。

中医学では、
飲食物から気の原料となる、”水穀の精微”を作ると考えます。
この水穀の精微が無い状態では、瀉法に耐えられる体力が無いということです。

若い人では、
腎精が十分に貯蔵されているため、水穀の精微が無くても、
精が気に転化(気化作用)をして、体力(エネルギー)を補充してくれるので、
よっぽどぐったりしていなければ、問題なく瀉法が行えると思います。


カゼ症状は、
風邪(ふうじゃ)が寒邪を連れて体内に侵襲して、症状を引き起こします。

邪気の類としては、風寒邪となります。

この風寒邪が体内で熱邪に転化すると発熱します。
転化した邪気は、風熱邪といいます。


邪気の違いによって症状が変わってきますので、
それぞれの特徴や治療に選穴するツボを述べていきます。

風寒邪の去邪

風寒邪が体内に入ってくるので、初期症状としては、ゾクゾクっとする寒気を感じます。

表証といって、
邪気は表面(浅い部位)にあり、カゼのひき始めや、軽症の段階で、

寒気や空咳、喉が”いがらっぽい”、透明の鼻水などの症状をあらわします。


表証の時の治療穴は、
合谷列缺の瀉法の指圧が有効です。

風熱邪の去邪

風寒邪として体内に入ってきた邪気が、初期治療が遅れたり、カゼをこじらせてしまったりすると、
風熱邪に転化します。

また、
インフルエンザなど、高熱を出すウイルスは、元々の性質が熱邪と考えてよいと思います。

この状態では、裏証といって、
邪気は体内深くに入ってしまってる状態です。

高熱や痰がからむ咳、喉がヒリヒリ痛い、黄色い鼻水などが、キーワードとなります。


裏証の時の治療穴は、
曲池尺沢の瀉法の指圧が有効です。

まとめ

カゼ症状といっても、
風寒邪と風熱邪という邪気の種類によって症状が違うため、治療穴も変わってきます。

なぜ、
表証では、合谷と列缺が、
裏証では、曲池と尺沢なのかという、深い根拠はなく、

約2000年の歴史を持つ東洋医学で培われてきた”経穴学“なのでしょうね。
先人たち(達人)の知恵の伝承ということです。


その他、
経穴学的に、カゼ症状の時に有効なツボを紹介します。

・「風」の字がつくツボ ➡ 風池、風府、風門
・咳 ➡ 尺沢、孔最
・鼻水 ➡ 曲池
・鼻詰まり ➡ 鼻通、外風府
・痰 ➡ 豊隆、陰陵泉
・吐き気 ➡ 足三里
・喉の痛み ➡ 尺沢、照海
・半表半裏 ➡ 外関
※半表半裏とは、邪気が抜けず、表証と裏証を繰り返して長期化してる症状のこと。熱が下がったと思ったら、ぶり返したり、症状を変えながら、なかなか治らない状態のこと。


以上のような、
基本的な経穴学をもとに、症状に合わせてツボを組み合わせ、
治療を行うと症状はスッキリとします!


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