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小円筋・大円筋・広背筋の指圧|肩甲骨外縁へのアプローチと施術のコツ

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小円筋・大円筋・広背筋の指圧|肩甲骨外縁へのアプローチと施術のコツ

肩や首の施術では、僧帽筋や肩甲挙筋、棘上筋などに意識が向きやすいと思います。

しかし臨床では、もう一つ丁寧に触れておきたい場所があります。

それが、肩甲骨の外縁部です。

肩甲骨外縁付近には小円筋、大円筋が位置し、その外側から下方には広背筋も関係しています。

この周辺が硬くなっていても、患者さん自身はあまり自覚していないことがあります。

実際に指圧してみると、

「そこがそんなに硬くなっていたんですね」

「腕まで響きます」

と驚かれることも少なくありません。

今回は、小円筋・大円筋・広背筋と肩甲骨外縁への指圧について、臨床での考え方をお話しします。

肩甲骨外縁は見落とされやすいポイント

首肩こりの施術では、どうしても患者さんが「つらい」と訴えている上部僧帽筋や首の付け根を中心に施術しがちです。

もちろん、その部分への施術は重要です。

しかし、肩関節や肩甲骨は多くの筋肉によって動かされています。

そのため、症状を感じている場所だけではなく、肩甲骨周囲を広く確認することが大切です。

肩甲骨外縁部もその一つです。

普段あまり触れられていない場所だからこそ、指圧して初めて強い圧痛や筋緊張に気づくことがあります。

小円筋の働き

小円筋は肩甲骨外側縁から上腕骨へ付着し、ローテーターカフを構成する筋肉の一つです。

主な働きは肩関節の外旋です。

肩関節を安定させながら腕を動かすためにも重要な筋肉です。

スポーツや反復する上肢運動などによって負担がかかることがあります。

小円筋周辺を触診すると、肩甲骨外縁に沿って硬さを感じることがあります。

臨床では、この部分への圧によって肩周囲だけでなく、上肢方向に独特の響きを感じる方もいます。

ただ強く押すのではなく、筋の位置と走行を確認しながら圧を入れることが重要です。

大円筋の働き

大円筋は肩甲骨の下角付近から上腕骨へ向かう筋肉です。

肩関節の内旋・内転・伸展に関与します。

腕を身体へ引き寄せたり、後方へ動かしたりするときに働きます。

小円筋と名前はよく似ていますが、肩関節に対する働きには違いがあります。

この部分も肩甲骨外縁から下角周辺を触れていくと、硬さや圧痛を確認できることがあります。

特に上肢を頻繁に使う方では、肩の症状だけを見るのではなく、大円筋を含めて確認しておくとよいでしょう。

広背筋も肩の動きに深く関係している

広背筋というと「背中の筋肉」という印象が強いかもしれません。

しかし広背筋は上腕骨にも付着しており、肩関節の伸展・内転・内旋に関与します。

そのため、肩や上肢の動きを考えるときには無視できない筋肉です。

広背筋は非常に大きな筋肉なので、肩甲骨付近だけを見るのではなく、体幹から上腕までのつながりとして捉えることが大切です。

肩甲骨外縁から腋窩後方にかけて硬さがみられる場合には、大円筋だけでなく広背筋との関係も考えます。

小円筋・大円筋・広背筋を一つのつながりとして見る

臨床では、一つの筋肉だけを切り離して考えないことが重要です。

小円筋、大円筋、広背筋はそれぞれ異なる筋肉ですが、肩甲骨周辺から上腕にかけて近接しています。

上肢の使い方によっては、複数の筋肉が同時に緊張していることもあります。

そのため私は、肩甲骨外縁を施術するときに、

「ここが小円筋だからここだけを押す」

というより、

肩甲骨外縁から腋窩後方、上腕へ続く組織全体の状態を触診する

ことを大切にしています。

全身施術の中で肩甲骨外縁を確認する

全身指圧では、毎回すべての部位へ同じ時間をかける必要はありません。

患者さんの状態によって重点を変えることが大切です。

たとえば、

  • 肩や腕をよく使う仕事をしている
  • スポーツで上肢を頻繁に使う
  • 肩関節の動きに違和感がある
  • 慢性的な首肩こりがある
  • 肩甲骨周囲の硬さが強い

このような場合には、通常よりも肩甲骨外縁を丁寧に確認してみます。

患者さん本人が症状を自覚していなくても、触れて初めて緊張が分かる場合があります。

小円筋への指圧で上肢に響くことがある

指圧では、押圧した場所とは少し離れたところへ「響き」を感じることがあります。

小円筋周辺も、患者さんによっては上肢方向へ響きを感じる場所の一つです。

ただし、響きを出すこと自体を目的にする必要はありません。

響きは患者さんの身体から得られる反応の一つとして捉えます。

無理に強く押して響かせようとすると、かえって防御性の緊張を起こしやすくなります。

大切なのは、筋肉の状態を感じながら、適切な方向へ安定した圧を加えることです。

肩甲骨外縁は強く押せばよい場所ではない

肩甲骨周囲には骨の縁があり、腋窩にも近いため、雑に強く押す場所ではありません。

まず肩甲骨の位置を確認し、筋肉を指腹で捉えます。

そして、患者さんの反応を確認しながら少しずつ圧を深めていきます。

指先だけで無理に押し込むのではなく、身体全体を使って安定した圧を伝えることが大切です。

ここでも、指圧の基本である垂直圧や安定持続圧、そして施術者自身の重心移動が重要になります。

筋肉の知識だけでは指圧は上手くならない

解剖学を勉強すると、どこにどの筋肉があるかは分かるようになります。

しかし、実際の臨床では、筋肉の名前を覚えただけでは十分ではありません。

その筋肉をどう触れるか。

どの方向から圧を入れるか。

どの程度の深さまで圧を届けるか。

そして、患者さんの身体がどのように反応しているか。

これらを手で感じることが必要です。

解剖学の知識と、触診・指圧技術を結びつける。

これが臨床で使える技術につながっていきます。

まとめ|肩甲骨外縁まで丁寧に触れる

肩甲骨外縁には、小円筋、大円筋をはじめ、肩や上肢の動きに関係する筋肉があります。

また、その周囲では広背筋とのつながりも考える必要があります。

首肩の症状があるからといって、首や僧帽筋だけを押すのではありません。

肩甲骨周囲から上腕まで広く触れ、身体全体のつながりを見ること。

それによって、これまで見落としていた筋緊張に気づくことがあります。

そして重要なのは、強く押すことではなく、正確に筋肉を捉え、身体全体を使って安定した圧を伝えることです。

筋肉を知り、触れて確認し、圧の質を磨く。

この積み重ねが、臨床で使える指圧技術につながっていきます。

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