大殿筋トリガーポイントの形成部位と関連痛パターンについてお伝えしていきます。


大殿筋にトリガーポイントが形成され、活性化すると腰痛や股関節痛、殿部痛などを引き起こします。

大殿筋は、ウォーキング程度の負荷では、最低限しか活動せず、
階段を上ったり、ジャンプ動作、ランニングなどを行う時は、筋の活動量が上がります。


それらの運動のオーバーユースや、長時間の座位による大殿筋の血行不良、転倒を防ごうとした時の強い筋収縮などによって、トリガーポイントが形成されます。


大殿筋のトリガーポイントからの関連痛は、あまり遠位には送られず、
腰部や殿部外側、殿溝部、尾骨、仙腸関節部などに痛みを生じさせます。

大殿筋第1トリガーポイント

第1トリガーポイントは、
殿溝部辺りに形成され、活性化すると、
トリガーポイント周囲の殿部下部仙骨部殿部外側に痛みを送ります。





長時間、椅子に座っていると殿部に痛みがあらわれたり、不快感から常に姿勢を変えたくなるなどの症状は、
このトリガーポイントが原因と考えられます。

殿部外側への痛みは、深部に感じられると、股関節痛と疑われる症状となります。


第1トリガーポイントは、指圧を施しても、あまり強い圧痛は出ない傾向がありますが、
治療されている本人には、「そこが原因だ!」という感覚があります。

圧痛が強くないので、治療ポイントとして見落とさないように注意が必要です。

このトリガーポイントへの治療は、
骨盤の前後の歪み(腸骨の前方回旋・後方回旋)を改善していくような印象があります。

大殿筋第2トリガーポイント

第2トリガーポイントは、
仙骨3,4番の外側辺りに形成され、活性化すると、
殿部下部仙腸関節部に痛みを送ります。





関連痛があらわれる部位は、痛みのため交感神経が緊張し、血流障害が起こりますので、
仙腸関節の機能異常を生じさせる原因となってしまいます。

大殿筋第2トリガーポイントは、下層に位置する梨状筋第2トリガーポイントと重なります。

垂直に持続圧を行えば、圧が浸透して2つのトリガーポイントを同時に治療出来ますが、
それぞれの筋肉の、走行と働きをしっかりイメージして、手指(肘)の当て方と圧のベクトルに微妙に変化をつければ、
別々に狙うことが出来ます。


また、この2つのトリガーポイントは、婦人科症状をお持ちの方は活性化するケースが多く、必須の治療ポイントとなります。
卵巣の反応があらわれると考えられ、女性患者さんへのこのトリガーポイントの治療は、頭痛や肩コリ、下肢痛の改善など、様々な治療反応が起こることもあります。


大殿筋のトリガーポイントで注目すべき点は、
第2トリガーポイントの関連痛が、殿部下部に送られることによって、
殿部下部に血流障害が起き、その部位に第1トリガーポイントが形成され、そして活性化するということが起こるケースがあります。



これを、トリガーポイントのドミノ倒し現象といい、
身体各所で起こりうる現象なのです。

大殿筋第3トリガーポイント

第3トリガーポイントは、
尾骨の外側辺りに形成され、活性化すると、
尾骨の痛みとしてあらわれたり、時に肛門の痛みとして感じることがあります。





便秘症状で、直腸や肛門付近で便が詰まっているように感じる方や、痔核が出来やすい方には、
このトリガーポイントの治療がとても有効です。


また、位置的に直腸に反応を与えられることから、
この部位への治療によって、直腸呼吸反射が起こり、この反射は腹部内臓から胸郭内へ広がり、耳にまで波及して内耳のリンパ流の促進効果があると言われています。


実際の臨床でも、耳鳴りや難聴をお持ちの方は、圧痛と響きが起こることが多く、
呼吸が深く出来るようになったなどの報告も良く聞きます。




大殿筋の3つのトリガーポイントの関連痛パターンを理解し、それに付随する臨床知識がプラスされていくと、
治療の幅が広がっていきます。


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