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電子書籍
『指圧の原点 ― 歴史・東洋思想・臨床から学ぶ「効く手」の本質 ―』
を出版いたしました。
指圧・東洋医学・手技療法の歴史と、
現代臨床に生きる“効く手”の本質についてまとめた一冊です。
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五行色体表の「五主」は、木は筋、火は血脈、土は肌肉、金は皮毛、水は骨となっています。
指圧塾の受講生から、肌肉についての質問を受けることがあります。
中医学の基礎理論では、
筋とは、腱や靭帯などのスジ系のこと。
肌肉は、筋肉のこと。
五臓の配当とあわせると、
筋は肝、肌肉は脾となります。
しかし実際の臨床では、
筋・筋膜性腰痛や首肩こり、寝違え、背部痛などの筋肉系の症状は、
五臓では「肝」の病変と診て対応します。
こむらがえりや筋痙攣も「肝」。
回旋筋腱板の異常で現れる野球肩や五十肩、手関節部や手指の腱鞘炎なども、「肝」の病変で診ます。
このように筋肉系の症状は、
“肌肉の脾ではなく、筋の肝で診て治療を行う”ことが基本となります。
肌肉とはいったいなんでしょうか?
解釈は諸説あってよいと思いますが、
運動を行う筋肉ではなく、
脂肪などの”お肉”の部分や、筋肉が浮腫んだ状態などを肌肉と診て治療を行うと、イメージしやすいと思います。
痩身や浮腫みの治療では、
脾の治療が重要となってくるのもそのためです。
筋肉を痛めた場合や、筋肉が張り(コリ)やすい体質の方の治療は、
脾よりも肝をメインに治療した方が、治療効果は高まると思います。
五行論は、
絶対的なものではありませんので、
肌肉も筋肉系と診るケースもあります。
例えば、
ダイエットやご病気などによって、
十分な食事が摂れていないと、筋肉が痩せてきます。
このような状態で筋肉のパフォーマンスが悪い時は、
肌肉の脾の治療が重要となります。
東洋医学が体系化されてきた約2000年前から、日本では戦争後間もない頃までは、
食べるものが十分に無く、栄養不良の状態で生活をされてきたと想像出来ます。
五行論では、少ない食事量からでも筋肉の状態をよくすることは、脾の働きが担当してると考えたと思います。
その他の筋肉系の症状では、
中気下陥といって、大腿部や膝に力が入らなくなってしまう症状があります。
これは、
中焦の脾胃の気が虚して、筋肉のパフォーマンスが落ちた状態です。
気虚や気陥の症状として現れますが、
飽食の現代での「虚」とは、気が不足してる状態ではなく、
湿熱邪などで気が詰まっているために、
働きが弱っている虚証もどきで、本質は実証となっていることが多く見られます。
このような中気下陥の症状では、
筋肉系の症状でも、脾の病変と診て治療を行なっていきます。
臨床で、筋肉系の症状の時は、
筋と肌肉のどちらのケースなのかを見極めて、治療を行うことが大切です。
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