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【第4回】指圧を学ぶなら知っておきたい|平安時代の按摩と民間医療のはじまり

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指圧を学ぶなら知っておきたい|平安時代の按摩と民間医療のはじまり

こんにちは、指圧塾の杉本憲一です。

前回は、「大宝律令」において按摩が国家公認の医療として位置づけられていたことを解説しました。

第4回となる今回は、
その後の時代において、按摩がどのように民間へ広がっていったのかを見ていきます。


■ 一度姿を消した「按摩」という言葉

大宝律令で登場した「按摩」という言葉ですが、
その後、しばらくの間、歴史の表舞台から姿を消します。

文献上では、江戸時代になるまで、
「按摩」という名称がほとんど見られなくなるのです。

しかし、これは按摩そのものが消えたわけではありません。

形を変えて、民間の中で受け継がれていったと考えられます。


■ 平安時代に登場する「腹とりの女」

平安時代の歴史物語『栄花物語』には、
「腹とりの女」という存在が登場します。

これは、現代でいうところの
腹部への施術(按腹)を行う女性と考えられています。

作中では、体調が悪い際に、

「腹とりの女に施術させるとよい」

といったやり取りが描かれており、

当時すでに、身体を手で整える技術が
日常の中で利用されていたことがわかります。


■ 「枕草子」にも見られる手技療法

同じく平安時代の文学作品『枕草子』にも、
腹部に触れて整える女性の存在が記されています。

これらの記述から、

  • 腹部への施術(按腹)
  • 身体をさする手技

といった療法が、広く行われていたことが読み取れます。


■ 足への施術も行われていた

さらに、平安時代から鎌倉時代にかけての文献には、

  • 足を揉む
  • 足をほぐす

といった描写も見られます。

これは現代でいうところの、
下肢への按摩にあたるものと考えられます。

つまりこの時代にはすでに、

身体の各部位に対する手技療法が存在していた

ということです。


■ 民間医療として広がった背景

この時代、医療の多くは僧侶(僧医)が担っていたといわれています。

その中で、按摩のような手技療法も、
民間の中に取り込まれていったと考えられます。

つまり按摩は、

  • 国家医療としての側面
  • 民間医療としての側面

この両方を持ちながら発展してきたのです。


■ なぜこの歴史が重要なのか

ここで重要なのは、

按摩は常に「人々の生活の中にあった技術」だということです。

制度としてだけでなく、

  • 日常の不調を整える
  • 身体をケアする

そういった役割を担ってきました。

この視点を持つことで、
現代の施術においても「本質」が見えてきます。


■ まとめ

  • 「按摩」という言葉は一時的に文献から消える
  • しかし技術自体は民間で受け継がれていた
  • 平安時代には「腹とりの女」として登場
  • 足や腹などへの手技療法が広く行われていた

■ 次回予告

次回は、

  • 江戸時代の按摩の発展
  • 盲人按摩と当道座の成立

について解説していきます。


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