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「肩井」は頑固な首肩コリや、頭痛、眼の症状、めまい、耳鳴りなどの頭顔面部の症状に対して、治療効果が高く必須となる治療穴です。
取穴法としては、
肩髃穴と大椎穴を結ぶ線のほぼ中間で、乳頭線上に取るとされています。
肩上部のど真ん中という感じですね。
平面的にはとてもわかりやすい部位ですが、筋肉の隆起や骨格の形状を考慮しないと、垂直を捉えて響かせる圧にする事は出来ません。
ここで、肩井穴を捉えて響かす圧にするための3つのポイントをお伝えします。
① なで肩に対して垂直
人間の肩上部は、基本的にはややなで肩気味になっています。
伏臥位や側臥位での拇指圧や拇指揉捏の時には、脊柱と平行方向に圧を入れてしまうと、施術面に対して斜めに圧が入り、また肩上部の筋肉も外側に伸ばされ、圧が深くまで浸透しません。
これでは、気持ち良くもなく、不快な痛みを与えてしまいます。
生理的ななで肩の傾斜を意識して、その角度に対して垂直に圧を入れる事が重要となります。
② 圧の方向は上部胸椎の後彎の度合いに合わせる
上部胸椎は生理的に後彎しており、猫背気味の方は後彎が増強します。
例えば、伏臥位で肩井に拇指圧を行う時に、床やベッドに対して平行に圧を入れてしまうと、圧の入口は肩井でも、刺激は肩上部の前側方向に向かってしまい、ツボの中心を捉える事が出来ません。
また、斜角筋を押されているような鋭い痛みを与えてしまう事もあります。
肩井の中心を捉えるためには、肩上部の丸みの頂点から、上部胸椎の後彎度合いや胸郭の丸みに合わせた方向に圧を入れていく事が重要となります。
③ 僧帽筋から捉える
経絡経穴と解剖学的な筋肉や骨などは、治療上切り離して考える事も大切ですが、ツボの感触としてイメージしやすいので、ここでは一緒に考察していきます。
肩上部は見た目では丸みのある形状をしています。
そこで、肩井を表面的に見てしまうと、取穴法にあるように、肩髃と大椎の中間で、丸みの頂点を捉えれば良いと考えてしまいます。
それで良い場合もありますが、気をつけなければいけないのは、猫背気味で肩甲骨が前傾しているタイプの方です。
見た目では、肩上部の丸みの感じが筋肉の隆起に見えますが、肩甲骨が前傾していると肩甲骨上角が丸みの頂点あたりに位置している事があります。
肩井と思って拇指圧を行うと、肩甲骨上角に拇指が当たってしまい、骨を押されているような不快な痛みを与えてしまいます。
話しはそれますが、
骨を押さずに、上角にへばりつくような筋硬結を上手く捉える事が出来れば、首が痛くて回らないなどの寝違え症状には良く効くポイントになります。
この場合、肩甲挙筋にアプローチがかかっています。
話しを戻します。
肩甲骨が前傾しているタイプの場合は、肩井は肩上部の丸みの頂点よりもやや前側から捉える事がポイントです。
この時の感触や圧痛は、
肩甲挙筋の硬結のように、スジが硬くなっているような感じや鋭い圧痛を出すのではなく、
弾力性のある筋肉で、僧帽筋を捉えているという感触となり、ズーンという響くような圧痛があります。
肩甲骨の傾斜を考慮して、上角に付着する肩甲挙筋ではなく、肩井は僧帽筋から捉える事が重要となります。
まとめると、
肩井穴を捉えるポイントは、
①なで肩の角度に対して垂直に、
②圧の方向は上部胸椎の後彎度合いに合わせ、
③弾力性のある僧帽筋の感触から捉える事です。
これら3つのポイントを意識して、ピタッとベクトルが合った垂直圧が入った時に、肩井から全身に響くような圧となるのです。
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